前の記事でダウ理論によるトレンドの読み方を解説しました。
次に理解すべきなのがマルチタイムフレーム(MTF)分析です。「どの時間軸のチャートを見るか」によって、トレードの精度が大きく変わります。
タイムフレームとは何か
FXのチャートは時間軸(タイムフレーム)を切り替えて見ることができます。
- 日足:1本のローソク足が1日分の値動き
- 4時間足:1本が4時間分の値動き
- 1時間足:1本が1時間分の値動き
- 15分足:1本が15分分の値動き
- 5分足:1本が5分分の値動き
時間軸が長いほど大きなトレンドが見える。時間軸が短いほど細かい値動きが見える。どちらか一方だけを見ていると、相場の全体像を見誤ります。
マルチタイムフレーム分析とは
MTF分析とは、複数の時間軸を組み合わせてトレードの判断をする手法です。
基本的な考え方
- 上位足でトレンドの方向を確認する
- 下位足でエントリーのタイミングを計る
上位足のトレンドに逆らったエントリーは、どれだけ下位足の形が良くても負けやすいです。
一般的なMTFの構成
銘柄にもよりますが、一般的にはこういう構成で使います。
- 日足・週足:大きなトレンドの方向を確認
- 4時間足・1時間足:エントリーポイントを絞る
- 15分足・5分足:エントリータイミングを計る
上位足でHH・HLの上昇トレンドが確認できたら、下位足でも買いエントリーのタイミングだけを探す。下降トレンドなら売りのタイミングだけを探す。これだけでエントリーの方向性が絞られます。
銘柄によって時間軸を変える必要がある
MTFの構成は銘柄の値動きの大きさによって変える必要があります。
たとえばゴールド(XAUUSD)は値動きが非常に大きい銘柄です。
- 日足1本で100ドル(約1,000pips)動くことがよくある
- 日によっては2,000pipsを超える値動きになることもある
日足レベルのSLを設定すると、前の記事で説明した「資金の1%ルール」を簡単に破ってしまいます。
たとえば資金100万円・許容損失1%=1万円の場合、SLが1,000pipsになると0.01ロットでも損失が1万円を超えます。これでは現実的なトレードができません。
自分がゴールドで実際に使っている構成はこうです。
- 4時間足:ダウ理論でトレンドの方向を確認
- 15分足:エントリータイミングを計る
日足は値動きが大きすぎてSLの設定が現実的でないため、4時間足をトレンド確認の上限としています。必要に応じて1時間足を挟んで確認することもあります。
なぜ上位足のトレンドに逆らってはいけないのか
MTF分析で一番大事なルールは
上位足のトレンド方向と逆のエントリーはしない。
理由はシンプルです。4時間足1本は、15分足16本分の値動きの合算です。つまり4時間足が示すトレンドは、15分足16本分の売買の総意を意味します。
その総意に逆らって15分足1本の動きだけでエントリーするのは、16人の意見を無視して1人の判断で動くようなものです。勝率が下がるのは当然です。
自分が実践している手法では、下降トレンドが継続している中でも、ヒゲやピンバーによる反発を確認した後、次の足で戻り売りを15分足で狙うことがあります。これは上位足のトレンドに逆らっているのではなく、トレンド方向への戻りを利用したエントリーです。
詳しくは今後のMA・GMMA解説の記事で説明します。
ローソク足の強度についてはローソク足の基本とダウ理論の記事を参照してください。
トレンドに乗ることこそが退場せず利益を出すための一歩です。方向感がつかめないなと少しでも迷ったら絶対にエントリーしないようにしましょう。
初心者へのすすめ:まず2つの時間軸から始める
最初から3つも4つも時間軸を見ようとすると混乱します。
最初はシンプルに2つだけ使ってください。
- 上位足:トレンドの方向を確認する時間軸
- 下位足:エントリータイミングを計る時間軸
ゴールドなら4時間足と15分足。ドル円など値動きが小さい銘柄なら日足と1時間足など、銘柄の値動きの大きさに合わせて選んでください。
より大局を見る必要があるなと感じた場合は、日足や週足レベルでの視点も追加しましょう。
まとめ
- MTF分析は複数の時間軸を組み合わせてトレードの精度を上げる手法
- 上位足でトレンド確認・下位足でエントリータイミングを計る
- 4時間足1本=15分足16本分の総意。上位足のトレンドに逆らうエントリーは勝率が下がる
- 銘柄の値動きの大きさによって時間軸を変える必要がある
- ゴールドは値動きが大きいため4時間足をトレンド確認の上限にするのが現実的
- 最初は2つの時間軸から始めてシンプルに運用する
次の記事では、移動平均線(MA)を使ったトレンド確認の方法を解説します。
——トレーダーねむ(薬剤師3年 / FXトレーダー4年目)
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